小平さち子 *

メディア・リテラシーとは,メディアにアクセスする能力,メディア及びメディアコンテンツの異なる側面を理解して,クリティカルに評価でき,様々な文脈においてコミュニケーションができる能力である。テレビや映画,ラジオや音楽,印刷メディア,インターネットやその他のデジタル通信技術等,あらゆるメディアが対象となる。また,メディア・リテラシーは,若者世代だけでなく,成人も高齢者も,親,教師,メディアの専門家もすべての人にとっての基本的な能力である。 メディア・リテラシーが目標としているのは,日常生活の中で目にする様々なメディアのメッセージに対する我々の意識を高めることである。メディア・リテラシーは,メディアがいかに自分たちの物の見方や信念にフィルターをかけているか,大衆文化を形成しているか,個人の選択に影響を与えているかに対する市民の認識を高めるのに役立つはずである。また,市民にクリティカルな思考と,クリエイティブな問題解決スキルを与え,市民が情報の賢明な利用者かつ発信者になることに寄与するだろう。メディア教育は,世界のすべての国の市民一人一人に対する,表現の自由と情報獲得の権利という基本的権利の一部をなすもので,民主主義の構築と維持の手段となるものだ。 全文 (PDF)